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【Qosmosユーザー】ジェイエーアメニティーハウス様インタビュー(前編)~「ちんたいグランプリ2023」戴冠までの道のり~
神奈川県を中心に約2万2,000戸の賃貸アパート・マンションの管理・JA パーキングネットの運営を手がけ、入居率98.7%(※2023年9 月末現在)を維持する株式会社ジェイエーアメニティーハウス(本社:神奈川県平塚市)は、2021年からQosmosを活用いただいている管理会社様です。
今回は、2023年10月17日に開催された「ちんたいグランプリ2023」に出場し、情熱的なプレゼンテーション(タイトル:「共用部総合メンテナンス、職人と共に共用部改善に燃えたある男」)でみごと最優秀賞に相当するグランプリに輝いた、賃貸工務部 建物管理課の須藤様に、プレゼン内容にもなった業務改善の道のりと、大会本番までのエピソードを伺ってきました。(続く後編ではQosmos活用、BPMとの取組について)
上長から直々に指名!「なんとか予選突破を」で始まった準備
—改めて須藤様、グランプリ受賞おめでとうございます!「Qosmosも絡めながらプレゼンして、いい結果が出ました」とご一報いただき、事務所のある厚木へ飛んでまいりました!
須藤様:ありがとうございます!会社としては昨年からこの大会にチャレンジしはじめて、前回は残念ながら本戦に進めなかったんです(※)。今年は上長から直々に指名を受け、まずは予選を突破することに目標を定めて、7月中旬ごろから準備をはじめました。
※「ちんたいグランプリ」は書類審査による予選(2023年は35社がエントリ)と、勝ち抜いた8社による本戦(ピッチ形式のプレゼン)でグランプリを決するという構成
—本戦の約3か月前…入念な準備が実を結んだんですね
須藤様:初期段階では「プレゼンスキルの向上」「テーマ選定」に腐心しました。プレゼンはとにかく先人に学ぼうと、昨年経験した同僚への聞き取りや、本選進出者の動画視聴から始めました。まず思ったのは「このままでは勝ち抜けないな…」と(笑)。もっと学びが必要だと感じたので、プレゼンスライドの作成方法や、プレゼンのコツについて解説するYoutube動画を見漁る時期もありました。
テーマについては私が今の部署に異動してから数年がかりで取り組んでいる「共用部管理の改善」としました。本戦を見据えて、制限時間(10分)を意識しながらボリュームを調整していったのですが、10分が短く感じるほど短く感じるほど、盛り込みたいことがありすぎて…泣く泣く削りましたね。
方向性が決まってからは、上長と日夜「ああでもない、こうでもない」とできる限りの準備をしてきました。この夏は通常業務以外の時間のほとんどをちんたいグランプリのことに費やしていましたね。休日も頭の中がこのことで支配されていました(笑)。それだけ前向きに没頭していました。
これが「共用部総合メンテナンス、職人と共に共用部改善に燃えたある男」の全容だ!
—すごい気合の入りよう…!そして9月上旬にまず目標の予選通過が決まったんですね。プレゼンテーマである「共用部の改善」とは、具体的にどんな内容なんでしょうか
須藤様:ピックアップした取組は大きくは2つです。1つ目が「散水環境に依存した共用部清掃の改善」です。管理物件の6割で散水栓がなく、高圧洗浄ができない状況にありました。打つ手なく、廊下や階段にコケが目立つようになり、入居者様から放たれた「友達を家に呼びたくない」という一言が改善を決意させました。
2つ目は「雑草駆除=除草の改善」です。弊社では周囲への影響を考慮して(物件近くの農場や、近隣住民様の健康被害など)除草剤の仕様を禁止した結果、対応が追いつかずに除草関連だけで営業日あたり平均2件のクレームを受けてしまっていたのです。この数字も、早急に改善しないといけないものでした。
—制約がある中でのもどかしさがありますね…そんな苦しい状況からスタートを切って、どのように改善が進んだのでしょうか?
須藤様:「水がないなら持ってこよう」ということで、高圧洗浄用の専用車両を、必要なパーツを揃えながら完成させました。1000リットルタンクに高圧力で水を放出するコンプレッサー、飛散防止のオリジナルノズルなど、職人と知恵を絞って完成させた自信作です。その結果、1年間で400件以上の施工に成功しました。どこから知れ渡ったのか、管理物件以外のお客様からも「ぜひうちのマンションも!」というお声をいただいています。
雑草の方はというと、除草剤が使えない状況下でまず「防草シートの施工」に取り掛かりました。雑草面積事態を減らせればということで施工範囲を広げていき、手作業による除草3人月相当のコストカットに成功しました。しかし、すべての管理領域に防草シートを貼るのには時間もコストもかかるうえ、制約上(壁際、ルールなど)シート施工ができない場所も多々ありました。骨が折れる、やはり除草剤を使いたいなと…。
—うまく行きかけた中でまたしてもジレンマが…ここでの解決策が気になります
須藤様:実は安全面という観点で自主的に使用を控えていたこと以上に、除草剤を使うにあたっての高いハードルがありまして…。詳しくは環境省の「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」というものに定められているのですが、例えばよくある「(ポスティング等による)周辺住民への通知」「立て看板の表示」だけでなく、「必要に応じて見張りを立てる」「無風時に行う」「現地適応農薬の使用」など、守るべきルールが事細かく明記されているんです。遵守するためのリソース、コストを考えると、踏み切れないよな…と。
半ばあきらめかけていた中で、除草事情に明るいプロフェッショナルの方々からの助言で「散布ではなく、塗布による除草ならネックを解消できる」という知恵を授けていただきました。早速職人向けに講師を招いての研修、マニュアル作成を経てすぐに実践した結果、効果は抜群でした!塗布処理に起因する苦情はなく、「どうやっているの?」と弊社に技術指導の依頼も舞い込んできました。悩みの種だったクレーム件数も、およそ5分の1にまで減少しました。
8人の選ばれし本戦で、満場一致のグランプリ
—それぞれにちゃんとストーリーが詰まっていて、「これは優勝するな」という聴きごたえのあるエピソードでした…!満を持して臨んだ本戦はどんな場だったのでしょうか?
須藤様:準備はしてきたので、比較的落ち着いて臨めたかなと思います。満場一致とのことで、皆さんに納得して選んでいただけたことに安心しました。
一緒になってプレゼンを作り上げてきた上長や、応援してくれた同僚に報いることができたので良かったですし、あとはこの大会が今回7回目で、過去6回は受賞企業が固定化されていたようなので、そこを打破できた喜びもありました。
他社さんが取り扱うテーマは、昨年からの傾向として「RPAなどのテック絡み」や「外国籍の方の現場受け入れ」が目立っていた印象です。今年準グランプリの方はベトナム国籍の方で、「自らの行動でベトナム人の印象を変えよ!」のタイトル通り、想いのこもった素晴らしいプレゼンでした。
「ちんたいグランプリ」挑戦を終えてみて
—足掛け3ヶ月にわたる今回の挑戦ですが、振り返ってみていかがでしょうか?
須藤様:やるからには、と思って大変な思いをして準備をしてきましたが(笑)、グランプリという結果を得られたのもそうですし、自分が取り組んできた改善活動の振り返りにもなるいい機会でした。これがきっかけで、弊社の管理業務が少しでも評価され、オーナー様や入居者様から「管理を任せたい」、職人さんから「一緒に働きたい」、他の管理会社さんから「教えてほしい」と思ってもらえるとうれしいですね。
—3か月間お疲れさまでした、そして…改めてグランプリおめでとうございます!
続く後編は、ジェイエーアメニティーハウス様とBPMとの取組にスポットライトを当てた内容です。改善活動の中で実は活用されていたQosmosがもたらした変化や、BPMの現場経験を生かしたシステム外でのコンサルティング業務の効果などを須藤様に振り返っていただきます。